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淫夢売ります
第6章 くちなしの恋:あふれる想い
「ごめん・・・いや・・・」
「いったい、何?どうしたの?突然・・・」
ちょっと落ち着いたのか、ちーちゃんがいつもの調子に戻ってくる。もともとちーちゃんは気が強い。
でも、ここで負けたら、なんのために夢を買ったのかわからない。

「好きだ」

きっぱりと言った。なんのてらいもなく。
気持ちのままに、ずっと、心に秘めていた言葉のままに。

「え?」

ちーちゃんがふっと固まる。
勢いで言ったが、心臓が胸から飛び出しそうに鼓動している。
頸動脈の脈拍すら感じられそうだ。

「千秋が、世界で一番、好きだ」

「な・・・それ・・・どういう・・・」
ちーちゃんが顔を真っ赤にする。多分、私が知る限り、告白されたことはないはずだ。
初めて告白されて、びっくりして、戸惑っているのだろう。

ここに来て、やっと私も落ち着いてきた。
ここに来るまでに考えてきた事を言う。

「ごめん、うまく説明できないんだけど、僕が僕でいられるのは、もうあと少しなんだ。
 だから、その時間が終わるまでは・・・終わるまででいいから・・・」

だから、恋人になって欲しい。

☆☆☆
戸惑うちーちゃんをなんとか説得することができた。
私の並々ならぬ圧に押されたためか、夢が故のご都合主義なのかは不明だが、結果的に、ちーちゃんは学校を抜け出し、今日一日、私とデートをすることを了承してくれた。

少し話してわかったのだが、この夢の世界の中では、私の性別が違うだけで、ちーちゃんとの思い出はそのままであるということだった。
だから、ちーちゃんとしても、私に好意を向けられることはそれほど意外ではなかったということだった。

「でも、びっくりしたよぉ」と屈託なく笑う。
その姿を見られただけでも、ものすごく幸せだ。

最後まで「今日しかないってどういう事?」と気にしていたが、まさか夢の世界だとは説明できないので、適当に誤魔化した。

制服姿で街をウロウロしていると補導されかねないので、適当な店に入って、着替えを買うことにした。ちーちゃんはビビっていたが、お金は全部私が出した。
どうせ夢だ。なんでもありだ。
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