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淫夢売ります
第43章 淫らな選択:開かれる心
一体、どうしたら・・・

手のひらの上の紙片を眺めながら、私は途方に暮れていた。いつの間にか夜が明けてきたようで、カーテンの隙間から薄く光が射し込んできていた。

ああ、仕事に行かなきゃ

そう思いかけて、あまりの馬鹿らしさに失笑した。夢の中でまで仕事をする必要がどこにあるのだというのだ。それよりも、いつになったらこの夢は覚めるのか、の方が気になった。

朝になっても目が覚めなくて、クライアントとの約束をすっぽかす、なんてことがあったら・・・

頬をつねってみたり、水を飲んでみたりしたけれども、一向に夢が覚める気配はない。会社の誰かに電話をしたり、親に連絡をと思ったけれども、夢の中の人に連絡をして、なにか意味があるとは思えない。

どうしたらいいのか・・・と思った時、私の目は、手元の紙を追っていた。

杉村・・・

今、この夢の中で、唯一意味のある連絡が取れるのは、この人だけ・・・
そう思うのだが、もちろん、心は乱れていた。

『これまで体験したことがないくらいの快楽を・・・教えて差し上げますよ・・・』

私の耳朶を舐める、少し低めの声が思い出される。
電話をしてしまったら、とんでもないことになるかもしれない。でも・・・

葛藤、困惑、動揺・・・そして・・・

悩んだ挙げ句、私は結局、杉村に連絡をすることにした。

だって、これしか方法はないから・・・

家電の受話器をあげ、メモの番号をプッシュする。人差し指が震え、何度も番号を押し間違えそうになりながら、なんとか私は電話をかけることに成功した。

ルルルルルル・・・
 ルルルルルル・・・

2コール・・・そして、3コール目で、相手が出た。

「はい」
少し低い、男性の声。・・・杉村だった。
「あの・・・」
なんと言っていいか分からずに、一言、言っただけだったが、電話の向こうの男はフッと笑った気がした。

「ああ・・・。うん・・・なるほど・・・沢渡さん、ですね?
 番号は03ー〇〇〇〇ー✕✕✕✕・・・ふふ・・・お電話ありがとうございます」

名前を呼ばれて、そして、番号を非通知にしなかったことを指摘されて、私はあまりの自分の迂闊さに頭がくらくらした。

「お電話いただいたということは、決心が?」
「あ・・・い・・・ちが・・・って・・・夢から・・・」
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