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淫夢売ります
第44章 淫らな選択:戻れない・・・
仕方がない・・・

私は、杉村を待つことにした。忘れそうになるが、そもそもこれは夢なのだ。そして、杉村と会うことを決めたのは、この夢から醒める方法を聞き出すためだった。今、ここから逃げ出したら、その手がかりを失うことにもなりかねない。

でも・・・

先程のことを思い出す。杉村の最後のセリフ・・・

『ね?時子さん・・・この後もいっぱい、いっぱい・・・犯してあげますよ・・・』

ゴクリ、と唾を飲む。
やはり、逃げるべきかもしれない。
私がスマホを手に取った時、ガチャリと部屋の扉が開く音がした。結局、私は慌ててスマホをバッグにしまう羽目になった。

「いやーすっかり時間を食ってしまいました。だけど、いいものが手に入りましたよ」
そう言って、紙袋からいろいろなものを取り出してみせた。

「あ、そうそう。ほら、さっきのお洋服、随分汚れちゃったじゃないですか?あれ、ちゃんとクリーニングに出しておきましたから」

それを聞いて、え?と思う。
服を全部・・・?じゃあ私はどうやってここから出ればいいというのだ。

その疑問が顔に出ていたのか、杉村がにこりと笑って続けた。
「あ、心配しないでくださいね。ちゃんと、お洋服買ってきましたから。ほら、これ・・・でも、すいません。時間がなかったし、サイズもよく分からなかったので、上着だけです。
 まだ、秋口だから少し変かもしれないですけど、我慢してくれますよね?」

そう言って見せてきたのは、少し薄手の生地の明るいブラウンのトレンチコートだった。サイズがとか、時間が等と言っていたが、その顔を見ればわかる。
絶対にわざとだ。

裸にコートだけで私を連れ回そうとしているのだ。

ぐっと、下唇を噛む。

「それから、おもちゃもいくつか・・・ね、楽しそうでしょ?これからいっぱい遊ぶでしょうから」

そう言って、ガラステーブルの上に、私が見たこともないような物を並べて見せる。

「いや・・・っ!」

思わず声が漏れてしまう。それほど、杉村が置いたモノは卑猥な雰囲気を放っていた。ひと目見て何に使うかすぐわかるものから、用途がよくわからないものまであるが、どれもこれもが女を性的に責め苛むためのものであることは一目瞭然だった。

「ふふ・・・大丈夫ですよ・・・さっきの痴漢で、すっかりぬるぬるだった時子さんなら、すぐに気持ちよくなれますから」
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