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トライアングル
第1章 恋人未満
「ごめんなさい」
感情の籠らない声で謝罪を口にする…
「てめぇごめんで済んだら警察はいらねぇんだよっ」
あらら…
言っちゃったよこの人…
呆れを通り越して滑稽すぎる。
私、朝霧 里桜は只今町でぶつかったチンピラに絡まれてます(笑)
人通りが無い訳じゃないけど…
行き交う人は、チラリと視線を向けるけど素知らぬ顔で足早に通り過ぎてく。
うん。
今どきは そんなもんでしょ?
わざわざ 面倒事に首を突っ込みたがる人間なんていないって。
「てめぇ 聞いてるのか?」
チンピラが肩をグイっと掴んできた。
「あぁぁ~ やっちゃった。身体に触れたら【暴行罪】だからねぇ~」
私の言葉に慌てて 手を引っ込めるチンピラ…
ビビる位なら 最初から粋がるなっての…
「ねぇ もぅ行って良い?」
チンピラは 忌々しそうに睨み付けてくる。所謂 ガン飛ばし?ってやつ?
散々怒鳴り散らして引っ込みつかないんでしょ?
わかるよ(笑)
でも、私には関係ないからね。
「バイバイ」
ヒラヒラと手を振り、歩き出した私の目の前に黒塗りの高級車が止まった。
うん。
100% 一般人の車じゃないね