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トライアングル
第3章 終焉
Said ~龍二~


部屋にいるハズの朝霧の姿が無かった。

なにかあったのかと、二階堂の部屋を訪ねると玄関先にアイツのヒール。


暇をもて余して二階堂の部屋にでも転がり込んだのかと、声もかけずに部屋に入った。



シャワーを使う微かな気配…

リビングで、ブランケットを手にした二階堂を目にした途端…

言い難い不安と怒り…

俺は何も聞かず二階堂を殴り付けていた。


「先輩?」


シャワールームから出てきたアイツの声はいつもとなんら変わらない。


ただ…
二階堂と同じ石鹸の香りが 無性に鼻についた。



二階堂と朝霧…


二人の間に【何か】があったなんて疑う事すらバカらしい事だったのに…




その時の俺は、そんな当たり前の事にすら気が付かないほど、焦っていたのかも知れない。



【朝霧を失う】と云う恐怖に…






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