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12歳年下の彼と恋のキューピッドをする話
第4章 梅雨は紫陽花

予定通りに…集合時間の
ちょっと前に垂水の駅前に行くと
どちら様ですかと言いたくなる位に
イメチェンした…小林君が立っていて。

ハイライトがアクセントになっている
垢抜け感のあるヘアカラーに、
緩く掛けられたニュアンスパーマが
適度な遊びと動きを作っていて。

『あ、おはようござい…ます…っ』

「小林君…だよね?」

『あ、はい…こ、小林…です。
えっと…今日は…お世話に…なりま…すッ』


ガシッと港斗君の腕を掴んで
ユサユサと揺さぶってしまった。
メガネはいつもの太目の黒縁なんだけど。
ヘアスタイルとヘアカラーの所為で
その太目のセルフレームの
黒縁メガネもファッションの一部に見える。

『ちょ…アイツ…、イケメンにしてくれって
頼んだのは僕ですけど、
アイツから自信満々なLINEが
来てたと思ったら…僕が想像してたよりも
イケメンになり過ぎちゃってるじゃないですかッ』

『すいませぇええぇん、
お待たせしましたぁああっ!』

良く響く通りのいい声が聞こえて来て
葵ちゃんが、ちょっと遅れて到着した。

『す…すいませ…んっ、ハァッ、ハァッ…』

全速力ダッシュしたのか
俯いたままで乱れた呼吸を整えていて。

葵ちゃんが…その俯いていた顔を
上にあげた時に…3人して
フリーズしてしまったのだが。

『……ご…ごめんなさい…ッ
ちょっと、メイク…に…
いつもよりっ…、時間がかかってしまってッ』

これが少女漫画なら
後ろにお花とキラキラが
沢山舞い散ってそうな…程に
キラキラの…輝かしいまでの出来栄えで。

スマホがポケットの中で振動して、
妹からのLINEで、
どや顔のスタンプが3連で届いていて。
妹の会心の出来だったんだろうけど…。

『………ッ!!』

『……っと、どちら様ですか?
あの~、生田サン、こちらの方は…?』

誰ですかと言う顔を
葵ちゃんがこっちに向けて来て。

『誰って、エビちゃん。
それ…小林君だよ…?』

『えっ、小林サンっ??
えっ、えっ?えええええぇえ?
ちょ、どうなってるんですか?』

ポリポリと…小林が自分の頬を搔きながら
気まずいのか視線を逸らしながら。

『えっと…ちょっと…イメチェンとか…
して…みようかな…って、思ったんで…』


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