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12歳年下の彼と恋のキューピッドをする話
第4章 梅雨は紫陽花

お花のお寺と言うだけあって、
境内には色々なお花が植えられて居て。
春薔薇の季節程ではないが、
バラの二番花も…紫陽花と一緒に楽しめる。

『いい香りがすると…思ったら
なんですかね?あれ?あの白い花…』

境内に咲いているお花の中で
強い芳香を感じる白い小さな花が
沢山咲いている木があって。

港斗君がGoogleレンズで
画像を撮影して、検索していて。

その小さな白いプロペラみたいな
形の花を咲かせている木は
スタージャスミンと言うのだそうだ。

ジャスミンと名前が付いているが
あのジャスミンとは別の種類らしく。


『中国、台湾が原産のキョウチクトウ科
テイカカズラ属のつる性常緑低木……、
トウテイカカズラ(唐定家葛)とも呼ばれる…』

検索結果を彼が読み上げてくれて、
しばらく二人でその香を愉しんでいると。
お寺の梵鐘の所で紫陽花を見ている
2人が見えたので、スタージャスミンの
陰にふたりで隠れて、その様子を伺う。

葵ちゃんは…、流行の白のシアー素材の
トップスに露出が多くなり過ぎないように
上からデニムビスチェを着ていて。
その合わせ方は…36の私には
出来ない重ね着の仕方だなぁと…。
健康的は…下品さのない肌見せをしつつ…
その下には流行色のハロー!ブルーの
爽やかな色合いの透け感と揺れ感のある
女性らしいシルエットのシフォンスカート。
それに…甘くなり過ぎないように
厚底の白のスポサンのコーディネートで。

全体的に白とブルーで纏められていて
初夏の今のデートにピッタリだ。

『盗撮しましょうか?』

そう隣の港斗君がこっちに言って来て。
普通に不審者なんだけども…、
まぁ知り合いだから…大丈夫か…と。
手前に今自分達が立っている、
スタージャスミンの花が…
ぼんやりとピントがずれた状態で
画角に入る様に調整して
紫陽花を見ている2人を撮影する。

『どうですか?巴さん
これ、めっちゃ良い感じじゃないです?』

港斗君がそう言いながら、
今撮影した画像をこっちに見せて来て。

円照寺のお花を楽しんで
駐車場へと戻って来る。
そこからまた…50分程かけて
播磨町側を通って…明石まで戻って来る。


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