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12歳年下の彼と恋のキューピッドをする話
第5章 布引ハーブ園

『………間に合って…良かった…ッ』

『す、すいません…小林サン…
私の所為で…、あそこから…
帰れなくなっちゃう所…でしたね…』

『な…なんか…最悪…、
ロープウエイ動かくなっても
降りられるルートは…あるみたい…だけど…
こんな…真っ暗な中…は…危ないし…。
やっぱり……来て良かった……』

もう…自分達が…最後と言っても
良い位…だったので、
前のゴンドラにも後ろのゴンドラにも
誰も…乗って無くて…。
今…見えている…この夜景は…
自分達だけ…の…もの…みたい……。

そんな事を…考えながら
葵は…ロープウエイからの
神戸の街の灯りを…見下ろしていた。

段々と…地面が近付いて来ると
この…時間も…終わるんだなって…。
現実に引き戻されるみたいに感じた。

『きっと……突然に…
私達が…居なくなっちゃって…
巴姉サン達も…びっくりしてるでしょうし…、
下に…戻ったら…LINEしないと…ですね…』

この中からでも…LINEは出来るけど
もう少し…このままで…居たい…なって。
さっきの事が…夢みたいで…、
まだ…ふわふわした気分で…
夢の国にでも…いるみたいで…現実味がない。

ロープウエイが山のふもとに着いて、
10分間の空の散歩が終わる。

『帰り……三宮まで…歩く?』

『そ…そうです…ね…』

『……まだ…終電まで時間あるし……
ちょっと…どこかで…飲んだり…とか…』

このまま駅まで送って貰って
そこでバイバイなのかなって
そんな風に思ってたから…。

『そ…そうです…ね…
なんだか…喉が…乾いちゃいました…し』

一緒に…三宮駅の方へ歩いて、
ある1軒のお店に辿り着いた。
#icafe(あいかふぇ)と言う
居酒屋と言うよりは明るい白を
基調とした店内の夜カフェで。

かまくらみたいな…形の個室と
テーブル席も…周囲をぐるっと
雪の壁みたいなのに囲まれていて
周囲の視線が気にならない感じになっている。

元々がカフェなので、
パスタとかピザとか…
カラフルな…クリームソーダとか
メニューを見てるだけでワクワクして来る。


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