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魔国に召喚されたら魔王の花嫁にされました𑁍𓏸𓈒
第6章 花嫁の証:エアデール視点
エアデール視点です。
かなり短めのお話になります。
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「失礼致します。儀式は成功しましたか。エアデール様」
異世界から花嫁を召喚し、己の花嫁としての証をユカの身体に刻み込まさるための儀式は既に完了した。これでもう、彼女は俺から逃れる事は出来ない。
スー、スー、と小さく寝息を立てるユカの身体にシーツを掛け、まだ熱っぽい頬をそっと撫でた。しばらくして身なりを整え終わった頃、儀式が成功したか否かの鑑定しに来たのであろう鑑定士のアシスが部屋に訪れた。
「あぁ、しばらくすれば花嫁の証である痣も浮かんで来るだろう」
「かしこまりました。花嫁様の鑑定に移りますが、よろしいですか?」
「あぁ」
「承知致しました。···鑑定」
アシスはユカが眠る寝台へと近づき、手を伸ばした。頭から徐々に足先へと移動させて行く。
「エアデール様の魔力が、花嫁様の中で上手く融合している様です。この分でしたら、今日中にでも花嫁の証となる痣が浮き上がるでしょう」
「そうか。目覚めるのはいつ頃になる」
「エアデール様の放たれた精液の量にもよりますが···、かなりの量を放たれたご様子ですので2.3日と言った所でしょうか。ただの人間である花嫁様のお身体には、魔王であるエアデール様の魔力量は強大な物。ご負担がかなり大きい。融合されているとお伝えしましたが、花嫁様の中で遺伝子レベルからの身体の情報が変換されるまで必要なお時間だと、お考え頂けたらと思います」
「そうか···」
「もしかすると、身体の一部に変化が見られる可能性があります。また、エアデール様の魔力による身体の変化による物ですので、花嫁様の血にエアデール様の血が混じると言う事ではありませんのでご安心を」
「命に関わる事は」
「その可能性は低い物と」
「ならばよい。一時は甘い熱に浮かされたが、俺の子孫を残せるのならば、何でも良い。···ご苦労だった。下がってよい」
「はっ」
浮かぶのは昨夜の熱情。
ユカの放つ甘い匂いと色香に酔い、普段の俺らしくもない言葉も放った。これが、花嫁を逃がすまいとする本能的な物から来る行動なのか、「大切にしてね」ユカの言葉がやけに耳に残った。