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きのうの夜は
第4章 離婚
離婚届を出しに行くとき、どうも雅之は急いでいる様に感じた理由がこのLINEで理解できたように思ったのだ。
すると、雅之も何のことはない。
私と結婚していた頃から女がいたのだ。
そう、理解したのだ。
ある意味、お互い様だと思っていた。
私は雅之のLINEにこう返事を書いた。
「あら、おめでとう…幸せになってね…」
この時、思ったのだ。
もしかしたら、相手の女はすでに妊娠しているのではないだろうか。
そう感じたのだった。
その感は当たっていた様だった。
さぞ、今義母は喜んでいるに違いない。
念願の孫が授かったのだ。
嬉しくないと言ったら嘘になるだろう。
私は、この時本当に離婚して良かったと思っていた。
もう、この先あの一族には近づきたくないとさえ思っていたのだ。
私の離婚劇はこうして幕を閉じた。
これからは吉村とのことを考えて行かなくてはいけなかった。
吉村とは上手くやっていけるだろうか。
そんな、気持ちが頭をよぎったのを覚えている。
私の人生はこれからだった。