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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第3章 弐の巻
女は男を愛するようになれば、誰でもその男の心を独占したいと願うようになるものだ。いや、それは女だけではなく、男の方にしたって同じことだろう。愛すればこそ、相手にもまた自分だけを見つめていて欲しい。それは至極当然の心理だと思う。
幾ら一夫多妻が不文律であった当時とはいえ、人の心はそのような慣習や習わしといったものだけで縛ることはできない。たとえ理性で理解はしていても、感情では割り切れないものだ。