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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第3章 弐の巻
 が、帰ろうにも後宮へと通じる戸は固く閉ざされて、祐子一行はその場に立ち往生、屋根もない渡殿(廊下)でびしょ濡れになった。そのため、祐子は風邪を引き込み、数日も伏せることになってしまったのだ。事の次第を祐子のお付きの女房から聞いた帝は烈火のごとく怒り、弘徽殿へと乗り込もうとした。
 そも誰がそのような馬鹿げた―子どもじみた厭がらせをしたかは明白だ。
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