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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第4章 参の巻
 きょとんとしたままでいると、いきなり被っていた掛け衾が強い力で引きはがされた。
 眼の前にあの男がいる。
 冷たい眼に見下ろされて、また身体が震えだした。
「あ―」
 公子の顔に強い怯えの表情が浮かぶ。
 次いで、自分が帝の腕に抱かれていることに気付く。公子は布団(掛け衾)ごと抱き上げられ、いつしか帝の膝に載せられていたのだ。
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