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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第4章 参の巻
 公子が頑なに唇を引き結ぶ。
 帝が鼻を鳴らした。
「そうか、ならば良い。強情を張っていられる中は張っていれば良い」
 帝がふいに立ち上がった。
 ポンと無造作に眼の前に投げてよこされた包みは、つい今し方、帝が懐から取り出した懐紙である。
「中を見てみるが良い」
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