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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第4章 参の巻

しかし、現実として、公子は人並みの結婚は考えられず、そのような恋物語は所詮は、公子にとっては夢物語にすぎない。ゆえに、公子は難しい漢籍は理解できても、男女の事が何たるかさえ判っていないのだ。
それでも、帝に触れられたときに身体を突き抜けたあの嫌悪感、本能的な恐怖だけはひとひしと感じた。公子が幾ら厭だと訴えても、卑猥な笑みを浮かべたあの男に身体のあちこちを撫でられたときのことを思い出し、また不覚にも涙が滲んでくる。
それでも、帝に触れられたときに身体を突き抜けたあの嫌悪感、本能的な恐怖だけはひとひしと感じた。公子が幾ら厭だと訴えても、卑猥な笑みを浮かべたあの男に身体のあちこちを撫でられたときのことを思い出し、また不覚にも涙が滲んでくる。

