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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第1章 《序章》
 それでも、止められない。
 自分の方を見て欲しいから、そんなひとまわりも年上の女官のような分別くさいことは言わないで欲しい。自分の顔を見ただけで、露骨に嫌悪もあらわな顔をしないで欲しい。
 少年は白い花片を浴びながら、恨めしげな顔でその場に立ち尽くしていた。
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