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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第5章 四の巻
 湿った声が耳許で囁く。
「どうすれば、意地張りのそなたを大人しくさせ、素直に服従させ跪かせることができるのであろうな」
 燃え尽きかけた蝋燭の焔が乾いた音を立て、公子の翳を奇妙に揺らす。
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