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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第5章 四の巻
 帝は几帳をめくると、手慣れた様子で抱きかかえてきた公子を無造作に夜具に落とした。背中から布団に落とされた拍子に腰をしたたか打ち付けてしまったらしく、鈍い痛みが走る。
「痛―」
 小さく呻くと、帝が公子の顔を覗き込んだ。
「どれ、俺が撫でてやろう」
 いきなり手で腰から尻をなで回され、公子は悲鳴を上げた。
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