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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第6章 伍の巻
まるで将棋の駒を自在に動かすように、人の人生や運命を操り弄ぶのが好きなのだ、あの帝は。そのために、策略を練ることと、何の実もない偽りの恋、それがあの男の生きるすべてであった。
今なら、公子は、かつて己れの置かれていた状況がかえってよく見える。渦中に身を置いていたときは何も見えず、ただただ運命に翻弄されるだけであったのに、少し距離を置いて眺めただけで、かつての自分やそれを取り巻く状況が冷静に客観的に理解することができた。
今なら、公子は、かつて己れの置かれていた状況がかえってよく見える。渦中に身を置いていたときは何も見えず、ただただ運命に翻弄されるだけであったのに、少し距離を置いて眺めただけで、かつての自分やそれを取り巻く状況が冷静に客観的に理解することができた。