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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第2章 壱の巻
 公子だって、一応は年頃の姫なのだから。
 公子はおっとりと微笑みながらも、相模の心を見透かすかのようなことを言う、。
「大丈夫よ、私を垣間見ようなんて、そんな酔狂なことを思う殿方がいらっしゃるとは到底思えないもの。折角の春なのに、屋敷に閉じこもりきりだなんて。そんなつまらない心配をするよりも、相模も見てご覧なさい。雪柳が綺麗よ」
 公子の言葉はある意味真実だが、それも考え物ではある。
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