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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第2章 壱の巻
「ならば、大宮さまのお見舞いに行ってくれるか」
 その言葉に、公子は頷いた。
「私が参上することで、大宮さまのお心が少しでも軽やかになって下されば嬉しうございます」
「そうか、ならば、一日も早い方が良い。明日にでも早速、お訪ねしてみてくれ」
 道遠は満足げに眼を細めて頷いた。
 夕刻からまた参内せねばならない用事があると、父はまた慌ただしく出かけていった。
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