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ふみふみ
第16章 離別
智也は慰謝料何て考えていない様だった。
「しっかりと払ってもらうから…」
そう言うと七海ちゃんは寝室へと入ってゆきベッドに倒れ込んで泣いた。
アタシとモモはまた同じように慰めに行く。
すると、七海ちゃんはアタシやモモの頭を優しく撫でてくれる。
アタシたちは嬉しくて喉を鳴らした。
こんな大騒ぎになってしまって智也の母、朋子が黙っている訳がなかった。
「七海ちゃん、今回の智也の件だけど、本当に申し訳ないわ…」
「いえ、お義母さんは悪くないですから…」
「いいのよ、私の事も責めたいでしょう?」
「そ、そんなことはありません…」
七海ちゃんは朋子には何も恨みは感じていなかった。
朋子は尚もこう言ってくる。
「もう、無理はしないで、智也とは別れた方がいいと思うのよ…あなたはまだ若いわ…」
「お義母さん…」
「まだ、やり直せる年齢だから諦めないで…」
「お義母さん、ありがとうございます…」
この言葉で七海ちゃんは智也と離婚することを決めたのだった。
今まで智也との思い出が蘇って来る。
泪が出ない訳はなかった。
苦い思い出ばかりではなかったし、愉しい思い出も沢山あったのだ。
翌日の休みの日…。
七海ちゃんは引っ越し先を探しに不動産屋さんに出掛けていた。