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ふみふみ
第21章 エピローグ

翌朝…。
七海ちゃんは箱の中のモモの身体が冷たくなっているのを見つけた。

「モモ…」

七海ちゃんは瞳に泪を浮かべていた。
その瞳から泪がこぼれ落ちている。

「モモも、フミのところに行ったのね…」

そう言うと冷たくなったモモの身体を優しく撫でていた。
工藤がその様子を見てこう言ってくる。

「七海ちゃん、モモも幸せだったと思うよ…」
「そうかな…」

「そうに決まってるよ…」
「もう、誰もいなくなってしまったわ…」

そう言うと七海ちゃんは工藤の胸に顔を埋めて泣いた。
それを工藤は優しく抱きしめてくれる。

そんな工藤がとても七海ちゃんは好きだったし、一緒にいると幸せだったのだ。

「七海ちゃん、今度はワンちゃんでも飼ってみない?」
「え?犬?」

「そうだよ…」
「ええ、いつかね…」

七海ちゃんはためらっている。
そう簡単にアタシたちの事は忘れられないみたいだった。

でも、後に七海ちゃんと工藤は犬を飼ったのだけれど。
それは、また別の機会にお話しできたらお話ししようと思う。

こうしてモモの猫生は幕を閉じた。
アタシとモモは本当に七海ちゃんに出会えて幸せだった。

七海ちゃんもアタシたちに出会って幸せだったのだ。
これから七海ちゃんは工藤と一緒に幸せに暮らしてゆくだろう。

それをアタシたちは傍でずっと、ずっと見守っている。


(おわり)


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