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トライ アゲイン
第9章 目覚めの時
一方、パラレルワールドの安祐美といえば…
「ちょっと!あんたたち、何やってんのよ!!」
保健室に安祐美の金切り声が炸裂する。
親友の真理亜と飛鳥先輩が全裸で絡み合っていたのだから、驚くのも無理はなかった。
記憶の中では、飛鳥先輩と自分が結ばれて処女を捧げたはずなのに、リプレイの高校生になった今は、飛鳥が自分よりも親友の真理亜を選んだということになる。
困惑と怒りで安祐美の体はワナワナと震えていた。
「い、いや…こ、これには事情があって…」
苦し紛れの言い訳をしようと
飛鳥が体裁を整えようとするが、
全裸で、おまけに真理亜の股間を舐めていたのだから、言い訳も何もなかった。
「ち、違うのよ…安祐美、落ち着いてよ!
私、まだ飛鳥先輩に抱かれた訳じゃないし…」
「はあ?抱かれた訳じゃないって?
何よそれ!おま○こびしょびしょにしちゃってさ!
私が現れなきゃ挿入されてもかまわないって格好じゃないの!!」
いいわよ!二人で仲良くセックスでも何でもすれば?
安祐美は担いできた真理亜の鞄をベッドの上に裸体の二人に向かって投げ捨てた。
「サヨナラ!真理亜、あんたとはもう友達でも何でもないから!!」
ちょっと待てってば!!
飛鳥が慌てて着衣を始めたが
安祐美はこれ以上、二人の言い訳も聞きたくもないとばかりに、保健室を飛び出した。
校庭にでて、後ろから追いかけてきてくれるかもと振り返ってみたが、保健室から出てくる気配さえない。
『バカにしてるわ!!
何よ!こんな世界、消えてなくなればいいのよ!!』
一目散に校門を飛び出して、
スピードを緩めることなく全速力で駆け抜けた。
学校の前の国道に出ても足を止めずに
交差点が赤信号であるにも関わらず渡ろうとしていた。