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12歳年下の彼のお誕生日の話
第4章 7月7日 AM編
ミニケースは上に乗せてるだけだから
別々のお預りになるんだけど。
『あ、巴さん、小さい方だけ
台から取って貰っていいですか?
大きい方、僕が取るんで』
『うん、ありがとう』
『これ、可愛い色ですよね…
僕も…他の人と被りまくるんで…
オレンジとか被らない色にしようかな…』
はいどうぞと…私のキャリーバックを
彼がこっちに差し出してくれて。
自分のキャリーの上に
キャリーONできるお揃いの
ミニバックを乗せた。
私のキャリーバックはピーコックグリーンで
ポイントに薄めのベージュが
アクセントカラーになっているデザインで。
お部屋の見せる収納にも使えそうな
可愛らしいデザインのキャリーバックだ。
3個セットでかなり安かったから
品物それなりなのかなって
心配してたけど、しっかりしてるし
デザインも可愛いし…、でも
さっき回転台の上に色違いの
ベージュが流れてたんだけどね…実は。
あっちも可愛いなって思ってた色だから
こっちと落ち着いた色味の
スカイブルーとで悩んだんだけど。
こっちにして良かったな…って。
彼の荷物がその後にちょっと遅れて流れて来て。
手荷物の受取所から外に出ると、
あの那覇空港のめんそーれの看板と、
カラフルな熱帯魚の水槽が出迎えてくれて。
雄介さんと沖縄旅行に来た時と
変わらない…この那覇空港の様子に
その時の記憶が…一瞬重なる。
『巴さん、このまま
レンタカー借りに行きましょうよ』
空港の外に出ると、ムワンと…
更に湿度が増した感じがして
ジリジリと照り付ける日差しが強い。
『ああ、この…刺すような太陽…
沖縄来た~って感じがしますね……』
彼が何かを探している様で
同じ様に周囲を見回すと
歓迎のプラカードを持った
送迎車が何台か並んでいて。
どれもレンタカーの営業所への
送迎車の様だった。自分が予約している
レンタカー会社を見つけて荷物を載せて貰らって
送迎車の中に彼と乗り込んで座って
シートベルトを締めた。那覇空港からは
車で10分もせずに営業所へ着いて
営業所の前で送迎車から降りると
彼はレンタカーの手続きをするのに
カウンターに案内されて行ってしまったので。