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あなただけ今晩は
第1章 プロローグ
そう言葉を交わすと私はアキラのアパートを後にしてマンションへ帰って行った。
午後、5時くらいだろうか。
もう12月の午後5時と言えば陽は落ちて暗くなっていると思う。
そんな暗くなり始めた頃にアキラはマンションにやって来た。
その後に、引っ越し屋さんがやって来たのだ。
私たちは寝室が一緒だったが自室を持つことにしていた。
狭い玄関を入って直ぐ左側の部屋をアキラが使い、右側を私が使う様に決めていた。
自室にはお互いのパソコン机やアキラの部屋にはゲーム用の私が使っていた小さなテレビが置かれていた。
自室と言っても殆どゲームをするかパソコンを使うかのどちらかだ。
寝室にはちょっと大きめのセミダブルのベッドを置いた。
寝室には本当にシンプルにベッドとナイトテーブルだけだった。
私のドレッサーは6畳の自室に置くことにしたのだ。
二人の部屋には小さいけれどクローゼットが付いていた。
そこに洋服などを掛けて置けるようになっている。
リビングもとてもシンプルでアキラが持ってきてくれた大きなテレビとコタツのテーブルだけだった。
テーブルの下には円形のラグを敷くことにした。
引っ越し屋さんは次々にアキラの少ない荷物を運んでくれた。
ものの1時間も掛からずに引っ越し作業は終わってしまう。
アキラが引っ越し屋さんに料金を渡していた。
確かその当時5~6万程で引っ越しをやってくれたように思う。
こうして12月14日に私とアキラは一緒に暮らし始めたのだ。
14日と言えば赤穂浪士の討ち入りの話しで有名だった。
そんな討ち入りの日に私たちは同棲を始めたのだった。
この14日はアキラの母の誕生日でもあった。
私はアキラと一緒に暮らせることに大きな喜びをこの時感じていたのだ。