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あなただけ今晩は
第11章 あなただけ今晩は
そう言うとアキラは私を抱き締めて身体を持ち上げるとクルクルと回した。
私は笑いながらこう言ったのだ。
「アキラくん、まだ、妊娠初期だから乱暴なことしないで…」
「え?あ、ごめんよ…俺、マジで嬉しくてさ…」
そう言うと私を床に下ろして照れ笑いをして見せるのだ。
すると、アキラがこういてくる。
「そう言えばさ、湯宿温泉の効能に婦人病ってのがあったよね?」
「そ、そうね…」
「もしかしたら、湯宿温泉のお陰かも知れないよ…」
「そうね、効能があったのだと思うわ…」
この時、私は36歳になったばかりだった。
アキラは33歳になったばかりだ。
私は結婚3年目にしてようやく子宝に恵まれたのだった。
私はとても幸せだった。
これからは親子3人で生活してゆくことになる。
アキラが聞いてくる。
「彩ちゃん、男の子がいい?それとも女の子?」
「私は、どちらでも構わないわ、健康に生まれて来てくれたらそれでいい…」
「そうだよね…」
この妊娠の話を私の母やアキラの義母にも電話で話をした。
すると、みんな喜んでくれたのだった。
私の人生はこれからだった。
こうして私は新たに人生のスタートを切ったのだった。
私は、アキラに感謝をし、母や義母にも心から感謝していた。
そして、まだ小さなお腹の赤ちゃんにも感謝したのだ。
私は本当に今、幸せなのだった。
(おわり)