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AV女優の初恋
第1章 再会
「さきちゃん、今日の男優さん、体調崩して来れなくなっちゃってね···」
と、出勤早々に告げて来たのは、監督だった。
「そうですか、でしたら今日は···」
「それがね、実はキミと撮影をしたいって子がいてね、キミさえOKならこのまま行こうと思うんだけど」
あぁ、なるほど。
つまり自分から代役を名乗り出たと···。
タダでさえ、AV業界の男優さんは狭き門。
女性と違い、男優さんは下働き的な役割が何年も続く場合がある。
「私はべつに、構いませんよ」
私はべつに、お金が稼げればそれでいい。
気持ちよく無くたって、痛い事もあるけれど、私だって女優の端くれ、演技でゴリ押しすればいい話だ。
「本当に?新人の子なんだけど、いいかい?」
「はい、大丈夫です」
「わかった。ありがとうね、さきちゃん。じゃ、読んで来るから必要な書類に目を通して、サインしといて」
「はい、分かりました」
++
私が書類にサインを書き終えたと同時に入って来たのは、やたらイケメンの男子だった。
「いやぁ、この子新人なんだけどね、この容姿だろ?直ぐに人気が、出て···」
「えっ。ちょ、まっ、···もしかして、南野先輩ですか?」
監督が紹介の途中、その真人の男子は何故か私の苗字を知っていた。