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気付かされた願望〜瑞穂の場合〜
第3章 主従関係
約束の日が来た。
この日のため、新品の下着をおろし、無駄毛の処理も丹念に行った。
今日は海斗さんに抱かれる。それだけでは無い。
何をされるだろう。
酷いことをされるだろうか。想像してだけで胸が高鳴る。

午後の取引先との打ち合わせを終える。編集長には直帰すると伝えていたので報告のメールだけ送る。
和田くんはもう少しかかるだろう。
彼からメッセージが来て待ち合わせの場所を指定された。
「お待たせしました。」
和田くんがやって来た。会社には持ってきてなかったカバンを背負ってる。
「お疲れ様。その荷物は?」
「色々今日のために準備したんですよ。」
「...そうなんだ」
「行きましょうか。何か少しお腹に入れます?」
「任せるよ。私は大丈夫かな」
コンビニに寄り飲み物や簡単な食べ物を買う。

彼に導かれるままラブホテルに着く。
「入りますよ。良いですか?」
「うん...」
彼と予約していたらしい一室に入る。
「...凄い。」
部屋には腕輪のようなものが吊るされていたり、磔台があったり様々なものが配置されていた。
「SM部屋ですよ。まぁ全部試すわけじゃないですけど。」
テーブルで和田くんがおにぎりを口にする。
「篠岡さんも少し口にしておいたほうがいいですよ。体力使いますからね。」
彼と一緒にサンドイッチを口にする。
簡単な食事を終え彼が口を開く。
「先に確認なんですけど今日は何時までに帰れば大丈夫ですか?」
「今日は子供達は私の実家に泊まってるから何時でも大丈夫だよ。和田くんは?」
「俺も大丈夫ですよ。」
「そうなんだ...」
和田くんが私に向き直し何か紙を取り出す。
性病の検査表だった。
「一応、取っておきました。確認してください。」
「ありがとう...」
私は彼に身を委ねるのに、そんな準備はして無かった。
「御免なさい。私は検査してない...」
「大丈夫ですよ。俺に身を任せてもらう為に勝手にした事ですから。あと、これも。」
そう言って錠剤を出す。
「アフターピルです。使うことになるか分かりませんけど一応用意しておきました。少しでも安心してもらえるならと思って。」
「...ありがとう。」
彼の気遣いが嬉しかった。同時に私自身を少し恥じた。そんなこと一切考えてなかったからだ。
「ごめんね。私そんなこと考えてなかった。」
「何で謝るんですか?こう言う事は僕が考える事ですよ」
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