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12歳年下の彼と入籍する話
第10章 彼と私の8月26日

フィッシュテールのドレスの下に
ボリュームのある3段フリルになった
3段にワイヤーの入ったパニエを
下に着ると…、そのフィッシュテールの
ドレスのスカートがその上に綺麗に乗って。

『おおっ、やっぱり
私の見立て通り良い感じだわ
流石、私、センスあるわ』

と…その仕上がりに自信満々で
満足そうに千冬がしていて。

「ねぇ、千冬これって…」

『そうだよ?全部、巴姉の
旦那さんからのお願いだよ、
はい、そろそろ時間だから
旦那さんの所に行っておいでよ』

「え、千冬?」

妹の千冬に…色々と聞きたかったけど。

『生田港斗様がお待ちです』

と…さっきここのサロンに
案内をしてくれたスタッフさんが
今度は私を迎えに来てくれて。

エステサロンから出ると、
そのまま2階のフロアをぐるっと
移動する感じになって…廊下を
ホテルの建物の右側から
反対の左側へと向かって
客室の前を…移動してるんだけど…。

「あの…これは…どちらへ?」

『この先に行けばわかりますので』

ホテルのスタッフの人も
妹の千冬も…全員がぐるで
港斗君の味方という構図は
巴は…理解はしては…居た。

ホテルの建物からドアをくぐって
別の建物に繋がる渡り廊下に出る。

『巴ねぇね』

と…そこに居たのは…
うちの母に手を繋がれて
甥っ子の大和が待っていて。

まぁ妹が居るんだから
大和が居てもおかしくないし
妹があそこに居たんだから
お母さんが居ても…おかしくないけどさ。

大和から渡されたのは、
ちょっと落ち着いた色をした
太目のリボンみたいな感じの物で。

お母さんが巻いてあげると言って
私のドレスの上からウエストマーク
としてサッシュベルトを巻いてくれて。

それを巻くだけで…ドレスの
フワッとした印象がぐっと締まる。

可愛いリボンのデザインの
ウエディンググローブを
大和がどうぞってしてくれて。

そのグローブを私が嵌めると
お母さんが仕上げはこれと
頭の上にベールを被せてくれて。

ベールダウンの演出は
バージンロードの手前で
ゲストに見守られながら
する事も…ある…演出だけど。

「おか…あ…さんっ…」

『ほら、泣いてないで、
行ってらっしゃい、巴』

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