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12歳年下の彼と入籍する話
第10章 彼と私の8月26日
そう言いながら…
こっちの左手を自分の手に乗せると
スルスルとグローブを外して行く。
そこには彼から貰った
あのフラウコウベのハートの指輪が
今は…左手の薬指を守ってくれている。
『巴さん…、これからは
僕のお嫁さんとして…、
生田巴…として、僕と
末永く…仲良くして…貰って
一緒に…幸せになりましょうね?』
彼が私の指からその指輪を抜くと、
結婚指輪をはめてくれて。
こっちに彼の分の結婚指輪が
入っているケースを渡してくれて。
丁度…本来なら
神父さんが立つ…であろう
台の上に…ブーケを置かせて貰って。
彼の手から指輪を受け取って
彼の左手の薬指にはめると。
そのまま彼に抱き寄せられて
お母さんにベールダウンして貰た
ウエディングベールを、
彼の手でベールアップされて。
彼のキスを…マジックアワーに
染め上げられているチャペルで受け入れる。
カシャカシャと…シャッター音が聞こえて。
写真ッ撮られてたって思ったんだけど。
うちの一家と…ホテルのスタッフの
人が数人クラッカーを鳴らして
お祝いをしてくれて。
この…サプライズのミニ結婚式の
ネタばらしをして貰ったんだけど。
セトレ神戸・舞子では
専属スタッフがフルサポートを
してくれる…チャペルの貸し切りが
プランの中に入った、
プロポーズプランがあるらしくて。
あの…キスの時の撮影は
彼のご希望だったのだそうで。
その後は…しばらく…
チャペルの中で記念撮影をして。
私はこの…オプションパーツを
キャストオフすれば、
ディナーに行ける恰好になれるので。
プランナーの2人のスタッフさんに
お礼を言って、話をしていると。
色んな結婚式とかプロポーズに
関わって来たプロのお二人も
プロポーズでも2人だけの
挙式でもない…このパターンは
初めてだったのでいい経験になりましたと。
お礼を逆に言われてしまって。
単にタキシードのレンタルも
プランの中に入ってるんだったら
自分だけじゃなくて巴さんにも
折角の素敵なチャペルだから
ウエディングドレス…着て欲しいけどと。
そうなったんだけど、
どうせだったらサプライズ感を
さらに演出がしたいと言って。