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12歳年下の彼と入籍する話
第11章 彼と私の8月26日 ―夜―
『「乾杯」』
お互いのグラスを合わせて
乾杯をすると、シャンパンを飲む。
何だか…ちょっと不思議な気分だ
今居るセトレは家から車で5分の、
超ご近所もご近所すぎる
ぷち新婚旅行…なのに…。
こんな…夫婦の初めての夜を
過ごす…事になるなんて……。
全然…昨日の私ですら
予想もしてなかった展開で。
「美味しい…」
『ええ、美味しいですね…』
彼が予約した時に
ドリンクペアリングを
一緒にセットで頼んでくれているので。
ディナーの内容に合わせて
相性のいい1杯を…厳選して
全部で7杯…提供して貰えるのだそうで。
7種類で5000円だから
普通に1杯ずつグラスワインとかを
頼んだりするよりも…お得な
オプションサービス…だなって
私はそう思ってしまったんだけど。
アジのなめろう風 ガスパチョ
ウイキョウのラテコッタと
百日鶏の白ワイン蒸し
サザエとオクラのバター焼きの
Stuzzucchino、ストッキーノ
イタリアでは食事の前にまず
提供される軽いおつまみみたいな物で。
小腹を満たして、食欲を刺激する
そんな役割があるのだそうだ。
イタリアのお店では食前酒を
注文すると出されたり
何も頼んでなくても出てきたりと。
その辺りは居酒屋のお通しに
近い様なシステムがイタリアにも
あるのかと思ってしまうけど。
お通し…にしては…ちょっと
これは…豪華すぎる気がするな…。
『これ、凄いですね、巴さん
淡路島の形のお皿に乗ってますよ。
ウイキョウって何ですかね??』
と…彼が言ったのが
お店のスタッフの方に聞こえていて。
ウイキョウはフェンネルだと
教えてもらったんだけど。
フェンネルの根っこの所は
玉ねぎみたいな感じになっていて
その部分が食べられるんだそうだ。
ゆり根みたいなものか…と
そんな風に思いながら
多分このプリンみたいに
なってる中のこの玉ねぎみたいなのが
それなんだろうなと思いながら頂いて。
その後には…カラフルな
お花畑みたいな料理が運ばれて来て。
「凄い…可愛い…お料理…
お花畑みたいで綺麗だねぇ…」