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エリート妻色情飼育
第92章 第一部 裕子の事情 第一章 人事異動
そう。
裕子は「特別秘書課」に配属となる。
本社屋にある「秘書課」ではない。
その部署は別館にひっそりと存在していた。
本館とは空中廊下のみで接続している。
他の部署は無く、入れる権利があるのは社長の幸造と専務の悟のみであった。
訪問客はおろか、他の役員も踏み入れることは許されなかった。
ごくまれに緊急の場合のみ入館を許されたが、その時も社長室の前室である秘書室のドアに「会議中」の札がかけられていたら、ノックすることすらできなかったのである。
それはグループを支配する幸造の特権であった。
電子表示ではなくアナログな札をかけることで何を意味するかを知らせているのだ。
「特別秘書課」
社内で別名「奥の院」と呼ばれていた。
一代で築いた想像を超える財力で贅をつくした社長室は、グループ総帥である「幸造のためだけ」に存在している。
裕子は社長の「専属特別秘書」として配属されることになったのである。
それが何を意味するかを考えると不安になってしまう。
(もしかすると・・・)
裕子は一瞬、浮かんだ淫靡な想像を直ぐに否定した。
悟は社長の息子である。
自分にとって最高の上司でもある彼が、裕子を危険に晒すなんてありえないことだ。
(でも・・・)
ジワッと寂しさが湧いてくる。
悟と離れることは事実なのだ。
もう二度と、共に仕事をすることはないだろう。
「失礼します・・・」
裕子は潤んだ瞳を見せないように悟に一礼すると、ヒールの音を残して去っていくのであった。
裕子は「特別秘書課」に配属となる。
本社屋にある「秘書課」ではない。
その部署は別館にひっそりと存在していた。
本館とは空中廊下のみで接続している。
他の部署は無く、入れる権利があるのは社長の幸造と専務の悟のみであった。
訪問客はおろか、他の役員も踏み入れることは許されなかった。
ごくまれに緊急の場合のみ入館を許されたが、その時も社長室の前室である秘書室のドアに「会議中」の札がかけられていたら、ノックすることすらできなかったのである。
それはグループを支配する幸造の特権であった。
電子表示ではなくアナログな札をかけることで何を意味するかを知らせているのだ。
「特別秘書課」
社内で別名「奥の院」と呼ばれていた。
一代で築いた想像を超える財力で贅をつくした社長室は、グループ総帥である「幸造のためだけ」に存在している。
裕子は社長の「専属特別秘書」として配属されることになったのである。
それが何を意味するかを考えると不安になってしまう。
(もしかすると・・・)
裕子は一瞬、浮かんだ淫靡な想像を直ぐに否定した。
悟は社長の息子である。
自分にとって最高の上司でもある彼が、裕子を危険に晒すなんてありえないことだ。
(でも・・・)
ジワッと寂しさが湧いてくる。
悟と離れることは事実なのだ。
もう二度と、共に仕事をすることはないだろう。
「失礼します・・・」
裕子は潤んだ瞳を見せないように悟に一礼すると、ヒールの音を残して去っていくのであった。