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エリート妻色情飼育
第215章 第八章 リング
「うっうっ・・うぇ・・ん・・・」
少女のような鳴き声が漏れる。

「えっえっ・・ひっ・・ひっく・・・」

裕子は泣き続けた。
繰り返す嗚咽に身体を震わせながら。

どれくらい時間が過ぎただろうか。
女の震えが静まった頃に悟が囁いた。

「愛しています・・裕子さん・・・」
「・・・・」

顔を上げた潤んだ瞳が見つめている。
男は涙で濡れた頬に優しく手を添えた。

「改めてお願いするよ・・・
裕子さん、結婚してください・・・」

「さと・・るさん・・・」
ようやく男の名を呼べた。

頬にある男の手に顔を預ける。
口元から白い歯が覗いた。

そして。
コクンと、男を見つめながら頷いた。

悟は何も言わずに口元を綻ばせた。
裕子の指をとり、そっとリングをはめた。

二人は見つめ合ったまま、ゆっくりと顔を近づける。
重なった唇の柔らかさが心地良かった。

「愛している・・裕子・・・」
「愛しています・・悟さん・・・」

二人のシルエットを、ライトアップされた噴水が影を作っている。

悟の背中を抱き寄せる裕子の左手の薬指に、ダイヤモンドのリングが光を散乱させていた。
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