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エリート妻色情飼育
第216章 第九章 恋人の温もり
「愛している・・裕子・・・」
「愛しています・・悟さん・・・」

二人のシルエットを、ライトアップされた噴水が影を作っている。

悟の背中を抱き寄せる裕子の左手の薬指に、ダイヤモンドのリングが光を散乱させていた。

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春香結婚七ヶ月目「裕子のマンション」 
20●3年4月5日 PM 11:00


「愛している・・裕子・・・」
「愛しています・・悟さん・・・」

幸せの瞬間を再現するかの如く、二人は同じ言葉を囁き合った。

三年、待った。
三年、待たせたのだ。

時が悟の気持ちを重くする。

裕子の悩みは知っていた。
バツイチのこともあるが、悟の父である幸造とも身体を重ねた身で悟と結ばれることはないのだと。

悟としても母の苦い記憶があり、裕子と結婚することに躊躇もしていた。
父と共有することには抵抗が無いと言えば嘘になるが、それよりも裕子を幸せにする自信が持てなかったのだ。

いつか、自分が裕子を裏切る不安が常に心に付きまとっていた。
他の女に走ったり、裕子に飽きて愛情が冷めてしまうのではないかと悩んでいたのだ。

逆に裕子に去られる不安も。
父を裏切った母のように捨てられるかもしれないのだ。

それなら、このまま「愛人」として父と共に愛することも良いのではと、都合良く考えてもいた。
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