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エリート妻色情飼育
第32章 第二十九章 温もり
(わ、わた・・し・・・も・・・)

欲しい。

素直にそう思った。
心が痺れていく。

「ああぁ・・・ほ・・しい・・・」
無意識に声を漏らしていた。

今、春香はハッキリと自覚するのだった。
裕子になりたい。

春香も、自分も咥えたい。
メス犬のようにひざまずき、大きなコックを口一杯に入れて味わいたかった。

ゴム製のバイブではない。
本物のペニス、幸造の太いコックを味わいたい。

目の前の裕子と同じように跪き、愛撫したいのだ。
いやらしい自分を想像すると興奮が沸き上がってくる。

(いやぁっ・・か、身体が・・熱い・・・。
欲しいっ、咥え・・たい、あああっ・・・)

心の叫びが大きくなっていく。

(ああっ・・春香も、春香もぉ・・・。
いやらしい・・・・ああぁ・・そう・・・・。
咥えたいのぉ・・あああぁ、欲しい・・・)

信じられない欲望が春香を駆りたてる。
醜い老人のペニスを咥えたいだなんて。

だが欲情が不条理であるほど興奮してしまう。
催眠術にかかったように、幸造のコックに目が釘付けになっている。

「春香ぁ・・辛抱せんでもええぞぉ・・・」
男の声に身体が、心が吸い寄せられていく。

逃げることができない。
沸き上がる激情に操られていく。

「キャッ・・・」
二人に近づこうとした瞬間、強く抱き寄せられた。

「春香・・・」
男の鋭い目が見つめている。

(せ、専務・・・)
悟の腕の温もりに心が溶けていくような気がした。

「春香・・・」
低い声が甘いマスクと共に近づいてくる。

「専務・・・」
か細い声が漏れた。

「春香・・・」
熱い息が自分の名を呼んでいる。

悟の指先が春香の顎をしゃくった。
閃光が走るままに目を閉じた。
白さが広がっていく。

「あっ・・・」

小さな叫びが悟の唇に塞がれる。
春香の中で何かが弾けた。

ずっと耐えていた欲望が自由になろうとしている。
置き去りにされた冷え切った感情が温もりに包まれていく。

唇を覆う柔らかな感触が心地良かった。

(ああああああぁ・・・)
心の中で叫びは続いていく。

(わた・・し・・・わたし・・・)
こじ開けられた唇に舌が入ってくる。

(ほし・・い・・・ほし・・い・・・)
絡め取られていく。

(あああぁー・・・)
白い闇の中で、春香の叫び声が消えていくのだった。


第四部「犠牲」(完)
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