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第23章 総力戦

まさか、格闘戦になるとは思わなかった。今までの経験で女は防御に徹することが多かった。柔道や合気道、空手などの経験者でも、男4人に先制攻撃に出る女はいなかった。

俺たちの中では、格闘技経験がほとんどなかったジラーフが餌食になった。先制攻撃の肘撃ちをくらい、倒れ込んだ。格闘技経験豊富なAV男優のシーライオンですら、寸でのところでやられるところだった。

俺やベアーも格闘技経験はないわけではないが、シーライオンほどはない。ベアーは身体こそ大きいが、格闘技経験者と言えるかどうか微妙だったし、俺は、学生時代の部活というレベルだった。

そういう意味でもシーライオンがやられると、結構、マズい状況になるところだった。井上尚弥のファイトを見て、見様見真似だというボクシングスタイル。シーライオンに言わせれば、あのクリンチはボクシングなら反則だ。だから、もし、リングでやり合っていたら、俺はやられたかもしれない…とシーライオンもこぼすぐらいのレベルだった。

見様見真似で…。いくら井上尚弥の真似でも、と思ったが、強者の真似で、人は強くなれるのだと知った。

シーライオンが首を絞めて、降参させなかったら、どうなっていたのだろう。もしくは、千佳子が降参しなかったら…。今から思い出しても冷や汗ものだった。

それにその後も、イラマチオをされ、ヴァギナに挿入され、終盤にはアナルまで挿入されて、それでも喘ぎ声ひとつ漏らさない千佳子に俺たちは焦った。

というより、ミミズ千匹という名器の例えがあるが、次々にその前に虚しく俺たちは射精してしまった。

まして、イラマチオで口内射精してしまうに至っては、俺たちも老化を認めるしかなかった。いくら小さな口だといえ、イラマチオで口内発射は言い訳できない。

ジラーフやシーライオンが言うように、感情移入して、千佳子を意識してしまったことも要因かもしれないが、それも、老化だ。

今までなら、割り切れたことが、割り切れない。切り捨てられたものが、切り捨てられない。

すべて、弱体化であり、原因は、老化というしかない。

結果、総力戦になった。

ジラーフとシーライオンの2人で3Ｐで、千佳子をイカせられる。そして、セックスの虜にできると踏んでいた俺の計算は、完全に目論見違いだった。