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ラブカルチャースクール+α
第26章 LOVE Lesson2 H
「お口……下の方です」

「……ほえ」

「クスクス……」

えぇぇぇぇ――――!!
花園の方だったの――――!

顔の方の口を全開にしていた自分が、恥ずかしくなる。

それに『下のお口』って表現を真顔で言ってこられたのも、恥ずかしい。

そしてどうやって『お口』を開けばいいのかが分からない。

ヤナセに指を突っ込まれているし、これ以上どうすればいいと――――!?

だけど開かねば、先に進まない気配がムンムンに漂う。

「ひ、開くって……」

「力を……抜いて頂けたら自然と『お口』は開きます」

丁寧なのか、ワザとなのか――――ヤナセは敢えて『お口』と言ってくる。

「やって……みます」

「貴方なら……出来ます」

ヤナセはそう断言して、ニッコリと微笑んだ。

もっと普通の状態なら、この素敵な笑顔にときめけるのだが、正直今はそれどころじゃない。

先ずは何とかして、『お口』を緩めなければ!

落ち着いて――――お腹の力を抜けばいいんだから。
ん? 中を緩めるんだよね。
腹筋の力を抜いて、中って緩むの――――?

そんなに難しいことじゃない筈なのに、焦りが思考回路を狂わせる。

顔の方の口を半開きにしながら呆然としている私に、ヤナセは優しい表情で語りかけてきた。

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