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第26章 LOVE Lesson２ Ｈ

『お口』を開けてと言われたけど、何でかしら？

不思議に思いつつも、顔の方の『口』を全開にする。

言われなくても、絶叫で否応なしに開くと思うんですけど――――と思っていたら、ヤナセがほんの一瞬、固まった。

え――――何！？

口を開いたままヤナセの顔を見上げると、ヤナセは凄く楽しそうに肩を揺らしてはにかんだ。

キュゥゥ～ン！

その笑顔が素敵で、こんなあられもない姿でも、胸から無数のハートが飛び散ってしまう。

な、なに！　今の可愛いんですけど。

ジッと見詰める私に、ヤナセはまたいつもの貴公子スマイルに戻った。

そして――――

「クス……君、凄く……可愛いね」

いきなり爆弾を投下してくる。

それも『ため口』――――！！

私の身体は沸騰しそうなくらい熱くなって、爆発寸前だ。

「ひゃ……ひゃ……」

口が開けっ放しだから、まともに声にならない。

身体を支えていた手を私の頬に宛がい、親指の先で唇に沿って撫で上げる。

ちょうど一周したところで、ヤナセは妖艶に微笑んだ。