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“男と女”の小噺集
第1章

第5話 『新しいブーツ』
女房と大喧嘩した。
俺に黙って新しいブーツを買ってきたからだ。
「だって、見てたら欲しくなったんだもの」
「なんだと! この不況の中、俺なんかもう何年も新しい靴など買ったことないんだぞ! 少しは家計のことも考えろ! 今度、俺に黙って何か買ってきたら、捨ててやるからな!」
俺は女房にそう宣言した。
「ふん、なによ、私は私の好きなようにするわ!」
次の日帰ってくると、玄関には昨日買っってきたブーツの横に、また新しいブーツが置いてあった。
俺は、カーッとなり、そのブーツを掴むと玄関の外に放り投げ、一言怒鳴ってやろうと、勢い良くリビングのドアを開けた。
「……やあ、いらっしゃい、お義母さん……」
完
女房と大喧嘩した。
俺に黙って新しいブーツを買ってきたからだ。
「だって、見てたら欲しくなったんだもの」
「なんだと! この不況の中、俺なんかもう何年も新しい靴など買ったことないんだぞ! 少しは家計のことも考えろ! 今度、俺に黙って何か買ってきたら、捨ててやるからな!」
俺は女房にそう宣言した。
「ふん、なによ、私は私の好きなようにするわ!」
次の日帰ってくると、玄関には昨日買っってきたブーツの横に、また新しいブーツが置いてあった。
俺は、カーッとなり、そのブーツを掴むと玄関の外に放り投げ、一言怒鳴ってやろうと、勢い良くリビングのドアを開けた。
「……やあ、いらっしゃい、お義母さん……」
完

