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第36章 歯磨き



 あれ、どうして私、相馬が何も思わない気になってたんだろ、



「これは、霧野から誘った判定でいいよな?」



 私が返事をする前に、耳を舌が撫で上げる。
すでに敏感になっていた体が、勝手にびくびくと反応する。
おなかを撫でていた相馬の手が、するりとシャツの中に入ってきて、おなかを通り越し、下着の上から胸を揉む。



「こっちは頑張って我慢してたのに」

 我慢……してたんだ。

「そんなエロい腰遣いされたらさあ」



 エ……ロ、く、ない!



 相馬が掛けたばかりのブランケットを跳ね上げて体を起こし、流れるようにTシャツを脱いだ。
スウェットのズボンも脱いで、下着だけになる。
思わず目をやると、確かにその前方は膨らんでいた。
それが見えるくらいには、目はもう充分闇に慣れていた。
慌てて視線を外す。



「ね、寝るんじゃないの? 相馬、寝不足じゃ、」

「んー、大丈夫、さっきちょっと寝たから」



 さっきって……三十分もなかったと思いますけど。
洗濯機が終わってなかったから間違いない。


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