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unbalance
第36章 歯磨き

シャツを脱いで乱れた髪を、相馬に手櫛で整えられる。
「霧野、好きだよ」
「わ、私も、好き、」
上ずった声で何とかそう答えると、相馬がはっと目を見開いて、数秒固まったあと、ゆっくりと私を抱き締めた。
相馬――熱い。
お風呂に入ったばかりなのに、しっとりと汗ばんだ相馬の素肌が、私の肌とくっつく。
相馬が、この場に似つかわしくない重たいため息をついた。
「……早速、約束破る男になっちゃったな。
散々、セックスしなくていいとか言っといて」
相馬……だいじにしようと、してくれてるんだな。
それを台無しにしてしまったのは私で、でも――我慢できなくなっちゃった相馬が、可愛くて、嬉しい、なんて、私、酷い女かも。
「でも、その……日付変わったし……」
私が考え考え口にすると、相馬もしばらく考えて、
「じゃあいいか」
私の耳元で、くすくす笑った。
「シよっか」
私がおずおずと頷くと、相馬がまた私の唇にキスをした。

