この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ココロのアナ
第9章 強行手段
「知らないだろうから教えてあげる
修の大好きな旭の話
旭の実家って大手の輸入会社なんだよ
しかも旭って次男なのに次期社長だからね
長男は自分の会社立ち上げたから
旭が継ぐ事になってるみたいでさ…
何でウチの会社にきてんだよ…って
不思議だったんだけど調べたら
正社員扱いされてるけど3月までだった
来年の3月末で退社予定なんだよ」
待てよ…
そんな話一度だって聞いた事無い…
「でね…
4月からは父親の会社に入って
輸入取引の勉強するんだって。
よっぽど修に近づきたかったんだね
でも1年間だけの遊びだけど…
だから修が捨てられたら可哀想で
俺いても立ってもいられなくてさ」
その後も何か言っていたが
何も聞こえなかった…
違うな…聞かないようにしてたんだ…
《旭が…俺を…捨てる》
《遊び…》
《可哀想…》
渚の言った言葉が頭中を
エンドレスで響く…
「きいてる?
だから俺がいるから泣かないでいいよ
旭なんか忘れて俺といよ」
もう…
勝手にしたらいい…
俺はモノなんだから…
好きにしたらいい…
脱力感で反抗などする気力もなかった…