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ココロのアナ
第11章 過去

父さんは何も言わなかった…
きっと俺が泣くと知っていたから。
この頃
ココロに大きなアナが空いた気がした
社長さんが葬儀をしてくれた。
卒業までは僚に居れるように
援助もしてくれた…。
父さんが信頼されていた証だ。
遺品整理をしていると
俺の名がかかれた封筒があった。
差出人は父さんだ…
《今日病院に行ったら癌だと言われたよ。お前を残して死んでしまう父さんを許して欲しい。修が可愛くて可愛くてしょうがない。素敵な家族を作ってやれなくてごめん。泣かずに前を向き素敵な出会いをし…素敵な家庭を持ってくれたら父さんは嬉しいな。次産まれてくる時も父さんの子に産まれてくれ 父さんより》
涙で滲んだ文字は
死を目前にし震えて書かれていた…
きっと父さんも泣いていた…。
封筒の中には通帳と印鑑。
俺の名前で作られた口座。
父さんがアパートを出て行ってから
毎月振り込まれていた
俺は声を出し泣いた…。
その後父さんの残してくれたお金で
大学に行き、卒業後就職した…。
ありがとう…父さん。
でも謝らなきゃ…

