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ココロのアナ
第11章 過去
母さんがまだ帰ってきてないのに
男は家にあがり飲み始める。
突然部屋に男がやってきた…
「お前がいなかったらなー」
酒臭い息が顔にかかり
髪を捕まれ壁に叩きつけられる…。
横たわる俺を蹴りあげ踏まれ…
母さんが帰ってくると
またいつものように軋む音…
「出てってちょうだい
お前邪魔になっちゃった」
笑う母さんは昔の母さんぢゃなかった。
腕には無数にある小さい痣…
時折暴れては男にすがる…
母さんは
薬をやっていた…
「でてけよ…」
そう言われ包丁を向けられる。
怖くなって逃げ出した。
携帯だけを手に握り締め。
父さんは快く受け入れてくれた。
会社の社長に頭を下げ
僚に俺が住めるように頼んでくれたんだ
毎日勉強を教えてくれて
生活の術を教えてくれた。
高校に上がると父さんは体調を崩した…
病院に行くと
「軽い風邪だったよ」と
俺を安心させた。
何も疑わなかった…
だって元気ぢゃないか…
数ヶ月後父さんは
何も言わずに逝ってしまった…。
病院の先生は
《末期のガン》だったと
泣きじゃくる俺に告げる。