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12歳年下の旦那さんとの甘い生活
第49章 2024年の年の瀬

『巴、折角…東京に行くんですし、
シーだけじゃなくてランドも行きたいですし。
ついでに東京観光もしたいですね?』
……来た…。
東京旅行をする…大義名分を
旦那さんに与えた訳だし。
こうなるのは…分かってたんだけど。
『後…これ…、渡すつもりだったから…
…入籍のお祝い…お返しとか要らないから』
と…綺麗なお祝い袋を貰ってしまって。
結婚式に招待してるのに、
なんでこのタイミング??って
思って…固まってしまって居たら
亜希子さんに促されてしまって
お祝いを紫苑さんから受け取ったんだけど。
『(この前の…お詫びの気持ちだから
遠慮せずに受け取ってあげて…、
巴ちゃんがそうしてくれたら紫苑ちゃんも
気持ちがね…楽になると思うし…。
隣にいる稲垣さんと…の為にも
けじめ…みたいなのだと思うから…)』
と…私にだけ聞こえる感じに
小さな声で…言って来たんだけども。
お祝いとは…銘打ってあるけども
多分このお金は…詫び賃的な
そんなポジションのお金なんだろう。
あの時の私宛でもありそうだし、
港斗君とのあれこれへの…分も
それに上乗せてありそうな厚みを感じる。
「すいません…、ありがとうございます…」
『べ、別に……これぐらい…
大した事無い…、はした金…だし…?』
ごめんなさいって言え無さそうな
そんな感じの性格だろうから。
まぁ…これが…多分、この人なりの
”ごめんなさい”の気持ちの表し方なんだろう。
隣の座っている港斗君が
何とも言えない顔をしてたから。
『港斗、お前と…巴さんの荷物を
部屋に運んで置いたらどうだ?』
と…声を掛けてくれたのは
お義父さんの浩輔さんで。
その言葉に甘える感じで、
その場から私と彼は離席して。
自分達の荷物を持って、
そのまま屋上に設置されている
ドームテントに移動した。
「港斗…大丈夫?顔色悪いし…
お風呂までちょっと横になる?」
港斗君の立場からすれば、
紫苑さんが過去にした事を
お金で解決しようとしたって
気分が悪くなる…のも…分かるし…、
あの場の雰囲気とかもあったし
稲垣さんの前だったから
それを口にしなかったから…。

