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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第5章 情欲に呑まれる…※
「俺たちの寵妃?」
玄武は目を細めながら胡蝶を見た。
その目元は笑っている。
「簡単なゲームです。」
胡蝶がゆっくり立ち上がる。
玄武はすでに胡蝶の考えを読んで、そのゲームが何なのかを知っている。
知っていてなお、笑顔を作りながら自分に近付いてくる胡蝶を見続けている。
「私が寵妃になった際には、『蘇りの玉』を下さい。」
玄武顔の前まで来ると、彼の顔を覗き込む様に胡蝶は言った。
「全ての『蘇りの玉』を貰えば私は蘇ります。
だけど、誰かの『蘇りの玉』を貰えなければ、寵妃としてここで全ての愛を四天王様達に捧げます。」
サラッと風が胡蝶の髪で玄武の頬を撫でた。
「……随分と胡蝶に不利なゲームだね。」
相変わらず目を細めたまま胡蝶を見ているが、今度はその顔に笑みが無くなった。
玄武は胡蝶の後頭部を掴むと、もっと自分の顔に彼女の顔を近づけた。
「…俺達はね…本当に独占欲が強いんだ。
寵妃になった女の子達には桃源郷から出ていって貰いたくないし……。」
スルッと後頭部から手を胡蝶の頬に移動した。
「そもそも、俺が愛した女の子は俺を愛していなきゃ気が済まない。」
今でも胡蝶の心の中に居る男の存在を感じながら、玄武は少し不機嫌そうに言った。
「……他の男を愛したまま、四神全員の寵妃になったのは【胡蝶】ただ1人で、そんな事は……。」
今後一切ない事だろう。
最後の言葉は声に出さなかったが、胡蝶には十分に伝わった。
「胡蝶はその前世の思いを断ち切って、俺達の事を愛せるの?」
「出来ます。」
玄武が胡蝶の考えを読む前に、胡蝶は言葉にした。
その言葉が嘘がどうかなんて、玄武にはすぐに分かるのに。
玄武は目を細めながら胡蝶を見た。
その目元は笑っている。
「簡単なゲームです。」
胡蝶がゆっくり立ち上がる。
玄武はすでに胡蝶の考えを読んで、そのゲームが何なのかを知っている。
知っていてなお、笑顔を作りながら自分に近付いてくる胡蝶を見続けている。
「私が寵妃になった際には、『蘇りの玉』を下さい。」
玄武顔の前まで来ると、彼の顔を覗き込む様に胡蝶は言った。
「全ての『蘇りの玉』を貰えば私は蘇ります。
だけど、誰かの『蘇りの玉』を貰えなければ、寵妃としてここで全ての愛を四天王様達に捧げます。」
サラッと風が胡蝶の髪で玄武の頬を撫でた。
「……随分と胡蝶に不利なゲームだね。」
相変わらず目を細めたまま胡蝶を見ているが、今度はその顔に笑みが無くなった。
玄武は胡蝶の後頭部を掴むと、もっと自分の顔に彼女の顔を近づけた。
「…俺達はね…本当に独占欲が強いんだ。
寵妃になった女の子達には桃源郷から出ていって貰いたくないし……。」
スルッと後頭部から手を胡蝶の頬に移動した。
「そもそも、俺が愛した女の子は俺を愛していなきゃ気が済まない。」
今でも胡蝶の心の中に居る男の存在を感じながら、玄武は少し不機嫌そうに言った。
「……他の男を愛したまま、四神全員の寵妃になったのは【胡蝶】ただ1人で、そんな事は……。」
今後一切ない事だろう。
最後の言葉は声に出さなかったが、胡蝶には十分に伝わった。
「胡蝶はその前世の思いを断ち切って、俺達の事を愛せるの?」
「出来ます。」
玄武が胡蝶の考えを読む前に、胡蝶は言葉にした。
その言葉が嘘がどうかなんて、玄武にはすぐに分かるのに。