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天狐あやかし秘譚
第8章 針小棒大(しんしょうぼうだい)

田助が今日やった遊びの話をする。おばあちゃんも父親も大声で笑っていた。ついで、父親が明日は草取りをするからて手伝えと田助に言い、田助が不服そうな声を上げる。
いいなあ・・・いいなあ・・・。
あったかそうで、いいなあ・・・
みんなにこにこで・・・いいなあ・・・
節穴から目を離して周囲を見る。
そこは暗く、星あかりがチラチラとまたたくだけだった。虫の声がりーんりーんと寂しげだ。遠くでさやさやと川のせせらぎが聞こえる。
でも、誰も笑ってはいない。
暖かい火もない。
話をする人も、話をしてくれる人もいない。
山の上に月がかかっている。それを見上げた。
「おとう・・・おかあ・・・」
言ってみるが、答えたのは、風だけだった。
いいなあ・・・いいなあ・・・。
あったかそうで、いいなあ・・・
みんなにこにこで・・・いいなあ・・・
節穴から目を離して周囲を見る。
そこは暗く、星あかりがチラチラとまたたくだけだった。虫の声がりーんりーんと寂しげだ。遠くでさやさやと川のせせらぎが聞こえる。
でも、誰も笑ってはいない。
暖かい火もない。
話をする人も、話をしてくれる人もいない。
山の上に月がかかっている。それを見上げた。
「おとう・・・おかあ・・・」
言ってみるが、答えたのは、風だけだった。

