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天狐あやかし秘譚
第78章 怪力乱神(かいりきらんしん)
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【怪力乱神】人の知識では理解することが出来ない、怪しく奇怪な現象や物事のこと。
ちょっと、理解できないんですが・・・!?みたいな。
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「ダリ、大丈夫かな・・・」
私は大鹿島が張った『玄武盤石厳界』、その結界の外にいた。見上げると天まで届いているのではないだろうかと思うほどの高さ、オレンジ色に発光したオーロラのような障壁が左右見渡す限り延々と続いている。

物理的に強力に内外を遮断する効果がある障壁だそうだ。
それに加えて、今回は、霊的な干渉を防ぐ、水の結界術式『水公・歳破反鬼血界』(すいこう・さいははんきけっかい)も展開しているという。二種類の結界をひとりで維持するのはさすがに無理なようで、こちらの本営には大鹿島が、円形の結界を挟んで反対側には祭部衆の『属の一位』である烏丸(からすま)という陰陽博士がいるらしい。この二人を中心にして、20人ほどの祭部衆によって二重の結界が維持されているようだった。

「始まった・・・みたいです」
私の横で同じように結界を見上げているのは、占部衆『属の一位』である日暮美澄(ひぐらし みすみ)だった。日暮は、手に薄緑色に光る札を持っている。その札には五芒星がひとつ、猫の肉球を思わせるような円三つで形作られた印が描かれていた。その『肉球』の中央には『鬼』と朱文字で書かれている。
彼女はこの札により、自身の式である『猫神』を召喚し、結界の中にあらかじめ送り込んでいた。その猫神を通じて、彼女は結界内のことを察知していた。

「第一の作戦はほとんど失敗だったみたいです」
日暮の言葉に私は背筋が寒くなる。

敵が黄泉平坂を狙っているのはわかっていた。なので、当初はここに集結した陰陽寮の全戦力をもってして、新月の一夜の間、黄泉平坂の出口を守護する『千引の大岩』を防衛する、という作戦が提唱されていた。しかし、これに異を唱えたのが土御門だった。

「それじゃあ、なんも解決せぇへん」
そこで、彼が出した対案が、ダリによる異界の作成と、それに乗じた待ち伏せ、敵方の一挙捕獲という作戦であり、結局はこれが採用される運びとなった。
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