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天狐あやかし秘譚
第8章 針小棒大(しんしょうぼうだい)

ギュッとダリの着物の裾を掴む。
「怖いのか?綾音・・・?」
「こわ・・・怖いに・・・きまってるでしょう・・・」
あまりの怖さにさっきから半泣きだ。身体が震えてしょうがない。歯の根が合わないとはこのことだ。
ダリが般若の方を向く。
「その程度の術では、綾音は渡せぬなぁ・・・ほれ・・・もっと見せてみぃ。ほれほれ!」
ぎゃー!!これ以上、変な妖怪を挑発しないでぇ!
いつの間にか狐神モードになったダリの尻尾が楽しそうに跳ねる。耳もぴこぴこと動いている。
「では・・・これでどうじゃああ!」
大口を開けた般若が炎を吐く。炎はダリの寸前まで迫ってきた。
あちちちち!
当然後ろに隠れている私にも熱気が伝わってくる。
「ほほう・・・では、こちらはこうするとしよう」
ダリが右手を一振りすると、彼の周囲で風が逆巻く。そのまま炎を巻き上げ、天井に押し上げてしまう。
「ぬぬぬ・・・おのれ!雷光じゃああ!!!」
バリバリと般若の角が青く帯電する。そこから一直線に走った稲光がダリを襲う。
「なかなか・・・ふむ・・・」
ダリは右手を伸ばすと、その雷光を手のひらで受け止めてしまう。
そ・・・そんなことできんの!?そして、そのままお返しとばかり、般若に投げ返す。
「なんと!」
般若はふわりと右に動き、雷光の玉を躱した。
「ぐぬぬぬ・・・では、最後じゃああ!!!」
ボコン、ボコン、ボコン、ボコン
妙な音を立てて、顔だけだった般若に四肢が生える。そしてそのまま、ぐぐぐっと立ち上がるように大きく、大きく、大きくなっていく。
「あわわわあ・・・・・」
腰・・・抜けた・・・。
そこには、身の丈10メートル以上はあろうかという大鬼がいた。店の中にいたはずなのに、いつの間にか周囲は薄暗い山の中になっている。
「踏み潰すぞおおおお!」
足だけで人の身長よりもある。あの、東北での大足に匹敵するような大きさの足が、天から降ってくる。やばい!動けないぃぃぃぃ!!
ぎゃあああ!!!!
「怖いのか?綾音・・・?」
「こわ・・・怖いに・・・きまってるでしょう・・・」
あまりの怖さにさっきから半泣きだ。身体が震えてしょうがない。歯の根が合わないとはこのことだ。
ダリが般若の方を向く。
「その程度の術では、綾音は渡せぬなぁ・・・ほれ・・・もっと見せてみぃ。ほれほれ!」
ぎゃー!!これ以上、変な妖怪を挑発しないでぇ!
いつの間にか狐神モードになったダリの尻尾が楽しそうに跳ねる。耳もぴこぴこと動いている。
「では・・・これでどうじゃああ!」
大口を開けた般若が炎を吐く。炎はダリの寸前まで迫ってきた。
あちちちち!
当然後ろに隠れている私にも熱気が伝わってくる。
「ほほう・・・では、こちらはこうするとしよう」
ダリが右手を一振りすると、彼の周囲で風が逆巻く。そのまま炎を巻き上げ、天井に押し上げてしまう。
「ぬぬぬ・・・おのれ!雷光じゃああ!!!」
バリバリと般若の角が青く帯電する。そこから一直線に走った稲光がダリを襲う。
「なかなか・・・ふむ・・・」
ダリは右手を伸ばすと、その雷光を手のひらで受け止めてしまう。
そ・・・そんなことできんの!?そして、そのままお返しとばかり、般若に投げ返す。
「なんと!」
般若はふわりと右に動き、雷光の玉を躱した。
「ぐぬぬぬ・・・では、最後じゃああ!!!」
ボコン、ボコン、ボコン、ボコン
妙な音を立てて、顔だけだった般若に四肢が生える。そしてそのまま、ぐぐぐっと立ち上がるように大きく、大きく、大きくなっていく。
「あわわわあ・・・・・」
腰・・・抜けた・・・。
そこには、身の丈10メートル以上はあろうかという大鬼がいた。店の中にいたはずなのに、いつの間にか周囲は薄暗い山の中になっている。
「踏み潰すぞおおおお!」
足だけで人の身長よりもある。あの、東北での大足に匹敵するような大きさの足が、天から降ってくる。やばい!動けないぃぃぃぃ!!
ぎゃあああ!!!!

